確定拠出年金ってどうしたらいいのか その2

58歳のいままで退職金をもらったことが3回ある。20歳台で1回、50歳台で2回。勤務年数ももらった金額も全くバラバラ。3度目の退職金をもらうときに初めて税金のことを真剣に考えて、そこから年金の受け取り方にはまり込むまでたいした時間はかからなかった。年金と退職金はセットメニューで考えないといけない。

国税庁のタックスアンサーを見に行く方は多いと思うが、個人は「所得税」の項目から入るのが普通。ところが退職金については「源泉所得税」から見に行く方が便利だ。所得税からだと3項目、一方で源泉所得税だと7項目もある。分離課税で源泉徴収だけで完結する所得だから、源泉徴収義務者にフレンドリーなのか? 逆に言えば退職金をもらった人はほとんど自分で考える部分がなく、ごていねいに地方税まで現年課税で徴収してくれる。これは最強の「忘却課税」だ。

法人役員等が天下り先を渡っていく際の退職金の課税を強化するために、役員勤続年数が「5年以下」に止まる場合は退職所得の1/2課税が適用されない。このルールが導入されて、私も3回目の退職金をもらうときにかなり気を揉んだ。5年以下と5年以上は1日でも違えば天と地の違いがあるからで、控除期間も「5年と1日」なら6年に切り上げられる。なんとかそのときの退職金マネジメントはうまくできたが、そこからこの年金・退職金をどう受けるかが切実な問題だと気が付いたのだ。退職金など、定年になって辞めたら天から降ってくるように思っていては「忘却課税」のワナにはまってしまう。いつどんなふうに受け取ればいいのか、それがハッキリ見えてくるのがDCだ。