やっぱり来ました所得税改革 その6

17日の日経の1面で数字まで入った給与所得控除、基礎控除の素案が出てきた。

 

基礎控除が50万円程度となっており、12万円アップ。ならば給与所得控除の最低額の下げが同額として、65万円マイナス12万円で53万円程度か。合わせて103万円は維持するのかな。

給与所得控除の上限が188万円となっていて、まあせいぜいこれくらいの金額で人間一人、健康で文化的な最低限度の生活が営めるということか。年収1,000万円の人で、いまの220万円から188万円に上限が切り下げられたら32万円の課税所得増。限界税率30%で10万円の増税か。

消費税で税率が8%が10%になっても差分は2%。つまり10万円の増税となるには、10万円÷2%=500万円もの消費が必要になる。年収1,000万円の人では500万円も消費できないだろう。結構なインパクトである。一方で控除は188万円あれば足りる、つまりそれで1年の世帯の生活は成り立つ、と言われているのと同じことなのだから。所得税の網がいかに大きいかよく分かる。

 

「雇用的自営」の人が増えているから、そこへ減税。基礎控除が12万円増えたとして税率20%としても2万4千円の減税。2万4千円減と10万円増。減税の恩恵を受ける人が、増税になる人の4倍いれば財政中立が成り立つ。

けど働く人の働き方の選択には中立的なのかな。いまの所得分布の構造をスパっと切り取って右から左へシフトさせるような発想では、勤労意欲を著しく削ぐことにならないか。政治的にもフェアではないし、よくよく慎重な判断をお願いしたい。