森林環境税、なんだかよく分からないけど

私はサラリーマン時代には税のプロではありませんでした。経理部門でもなかったし、実務は全く知らない。社会保険と税に巻き込まれたのは、若い頃に出向人事と、海外勤務に出て行って非居住者としての課税扱いになったため。そのときに、会社は対応を指示してくれなかった。しかし、それは当たり前で、知らないと自分が損をするだけだ。

 その頃に一番焦ったのは、女房の国民年金保険の3号被保険者扱いが失効していたこと。形式的な転職を繰り返したため、何がどうなっているのか知らないが、空白期間ができてしまった。その辺から真剣に自分のことは自分で考えよう、みたいになっていった。

 

今年の税制改正で森林環境税が採り上げられそうだ。背景は正直よく分からない。方法論としては、個人住民税を支払っている国民に一人1千円の負担を求め、およそ600億円の財源を作り、市町村に配分する。出国税も1回1千円だそうで、千円札の軽い扱いがよく分かる。

 

思うことは2つ。

 

税金ってホントにサラッと決まってしまう。これがマンションの管理費の値上げだとたいへんだ。総会で必ず反対意見はでるし、他にこんなやり方もあるとか、管理会社はもっとマジメにやれとか批判を受ける。高齢化のため、年金生活では負担増は苦しいという声も出てくる。

およそ受益の思い浮かばない新税がポンと導入されるのはなんだかなあと思う。こういうことができるのは徴税システムがはしっかりしているから。それにもいい面があるので文句は言いますまい。

 

もうひとつ、昔、30年近く前だと思うが、「緑のオーナー」というものに投資した。国有林の権利を信託受益権にしたもの?かな。50万円でした。こどもが独り立ちするころにまとまったおカネに育たないかなと願っていました。

しかし、知らないということは恐ろしいこと。およそ日本の木材価格が上がる可能性などなかったのだ。在来工法の住宅の需要が高まることはない、供給サイドは外材との戦いに勝てない。およそインフレの起こる要素は考えられず、一次産品の値段など上がらない。これが祟っていまだにコモディティ投資にトラウマを感じている。

最終的な出口は、期限を2年ほど過ぎて(要は入札不調が続き)、なんどか共有者の意思統一を図りつつ、やっと現金化した。15万円くらいになっただろうか。日本の林業は厳しいなと思い知らされた。

 

この投資のウラで行ったのが年金保険、お宝の5.5%で元気に成長している。天と地ほどの違いを生んだ投資だった。

なお、緑のオーナーの損失は山林所得の損失となり、経常所得と損益通算できる。私の例でいえば50万円―15万円で35万円の所得控除が発生したのと同じような感覚。これも当初落とせると思っていた年から2年ズレて実現した。要は入札不調で売れなかったので実現損が出なかったから。いつ損失を出せるか、というのも投資では大事なポイントだ。売りたいときに売れないものを投資とは呼べない。