e-Taxに挑戦したことがありますか? 確定申告その3

1月15日が到来、今日からe-Taxがフル稼働ということになる。

実はまだ2017年の源泉徴収票を受け取っていない。つじつまの合う源泉徴収票の数字を入れないと、e-Taxというか確定申告書の作成コーナーは前に進まないとばかり思っていたが、いま適当に入れてみるとそのまま計算してくれた。

 

12月の給与明細には給与収入の総額とそれまでに支払った社会保険料の累計、源泉徴収された所得税累計が表示されている。

年末調整でこれに追加したデータは、確定拠出年金の拠出金276,000円と生命保険料控除の120,000円。

確定申告でこれに加えるべきデータは

  1. 医療費控除 これは約5万円
  2. ふるさと納税 15万円やった
  3. 配当所得  2万円(非上場株式の配当)

の3点だけ。

以上を合算すると控除が約60万円となり、限界税率20%(加えて地方税10%)とすると所得税は約12万円が年末調整+確定申告で戻ってくる計算となる。

ふるさと納税は15万円引く2千円=148,000円戻ってくるはずなので、所得税で約3万円引いてもらった計算だから、地方税で9万円くらいの税額控除が見込まれることになる。地方税キャッシュフローへの反映は6月以降なので、まだまだ先のことになる。

 

配偶者控除の扱いの変更で、源泉所得税での徴収方法が苛烈になって、私も年明けからは源泉の額は大きくなるはず。当然給料は変わらないので手取りは減る。感覚的にはこれを埋めるために所得税の還付金が充当される。

6月になれば地方税の特別徴収の月額が減って少しは楽になるはず。実は私の場合は2016年に比べて2017年は1割以上の減収となっていたので、キャッシュ的には青息吐息。地方税を遅れて徴収する仕組みでは、減収は全くしんどいことになる。

 

もう60歳では給料が上がらないので、こんなことで出たり入ったりを見極めながらキャッシュをコントロールするしかない。この先は確定拠出年金の保険料はじめ、民間契約の保険料が年金、医療と払済になっていくので、そのへんが楽しみ。

 

今年のこの季節もだいたいの税のメドはついた。あとはe-Taxがうまく送れるかどうか。医療費控除の最後の詰めをやったら送信可能になるので今月中にはご報告できるとおもう。うまく流れましたらお慰み。

果たしてイールドカーブは立ち上がるのか

米国の長期金利が2.5%を超えて、世界的な金利上昇が話題となっている。

長期金利とは期間10年の国債利回りにほかならず、要は債券の価格である。利回り上昇は価格の低下と同じことであって、債券が売られているということ。一般個人にとってやっと金利が立ち上がり始めたと喜ぶのはまだ早い。債券マーケットがクラッシュしたら、多くの金融機関が苦境に陥り、個人の持つ債券ファンドも暴落する。

 

しかし、そういうレベルの債券価格の低下なら、まずいまは心配ないと思っていい。利回りが上がれば買い手は出てくるだろうし、先進国のクレジットリスクも問題ない。米国でもビューンと長期金利が立ち上がるとは考えられず、ドル高小休止、むしろ日銀の国債買い入れ額減に反応して円高方向に動いている。

 

だからなにごとも起こらないだろう、イールドも寝たまま、というのが結論ならそれはそれで我々にとっても悪いハナシではない。株式市場が堅調なら、債券を高値に張り付けたまま株の高値を享受できる。もう金利なんぞ上がらない方がいい、と。

 

ゼロ金利、マイナス金利から脱却しようなどと考えない方がいい、という理論をだれか立ててくれないものか。長短金利が1%を切った頃、いつだっただろう?、もう年利5%なんて世の中にはならない、と言い切って客先からドン引きされたことがある。それくらいのことは分かっていたから、円が80円のときにはドルを仕込み、それなりに利益が出せた。けどあのインフレ体質の米国までこんなことになるとは思わなかった。

 

何年か前のギリシャみたいなのはまた違った事情のハナシ。しかし、あちこちで信用力の低い国の国債に値が付かなかったこともまた事実。喉元過ぎれば、ということでもう忘れている。今年のテーマは、みんなが大丈夫というときこそリスクを探してみようということにしたので、せいぜい債券クラッシュ、大きな順イールド出現リスクを探してみよう。仮にそういう確信を持ったとして、いったいどういうポジションを取ったら儲かるか? それも意外と答えを出すには難しい問題。金利を気にしない時期が長すぎて、金利の動きにまだ目が慣れていない。金利感覚を取り戻さないと。

株高予想が出揃って犬は笑うのか

お正月休みで勉強する時間があったのだが、まったくといっていいほど手につかず。会社を辞めたら時間はいっぱいあるので何でもできる、なんて発想はまったく当たっていないことがよく分かる。時間があっても私はたぶん何もしないだろう。仕事と好きなことのバランスの取り方は、いつまで経っても正解が得られない。

 

年初めのテレ東のモーサテをみてもなにをひねっても、今年は株高予想一色である。年内に平均株価3万円到達を掲げるアナリストもいる。年末の2万3千円近傍から30%の上昇はあるのか?

PERも海外マーケット比特に高いわけではない。企業業績も多くは安定的で1株当たり純利益が下げる懸念も小さい。為替はとても安定しているし、金融政策の変更もありそうにない、少なくとも引き締め方向への変更はないだろうと予想すれば、下値は堅そうだ。

 

ではいまから日本株を買いに出動するか? 買ってもいいと思う。けど買わなくてもいい。私は先進国株、新興国株、海外リートの投信を確定拠出年金に組み込んでいるが、日本株は平均株価2万3千円にタッチしたときに手仕舞った。こんど押したら拾うということで勘弁してもらおうと思っている。理由は特にないが、国内勢がみんなロングポジションを取ったら崩しにかかる勢力が出てくるかもしれない。みなが同じ方向を向くことがリスクの第一歩だと思っているから、こういうときには出て行きたくない。合理的な投資家の判断ではなく、単なるヘソ曲がりかもしれない。

ではそういう構造的に内包されるリスク以外に、なにか外的要因から崩れてくることはないのか。いくつか思いつくものを上げてみると、

  1. なんといっても朝鮮半島有事のリスク、米朝開戦
  2. 中東の火種の拡大
  3. 中国経済の減速、資産価格の下落
  4. 米国の政局混乱で米金利上昇シナリオの見直し
  5. ロシアが何らかのパラダイムシフトをもたらす

くらいしかない。米中ロの向いている方向は今までもバラバラだったし、それでも世界は回ってきた。私は地政学リスクが実現する可能性は小さいと思っている。もちろん、いつでも予期しない均衡崩壊からマーケットはクラッシュするので、これくらいなら大丈夫だろうとはとても言えない。分からないものは分からない。

ただし為替はもう日本経済を揺さぶる原動力にはならない気がしている。円高でも円安でもどちらでもこの程度なら問題なさそうだ。

 

大きくシナリオを崩す要因があるとすれば、それはやはり日本国内の隠された要因ではないか。金融機関のバランスシートは健全だろうが、収益力は小さい。長期金利の上昇が及ぼす影響も気になるが、金利リスクで破たんした金融機関を聞いたことがない。命取りになるのはつねにクレジットリスク、不良債権である。

それこそ問題ないかも知れないが、メーンバンクがかつてのような支援体制を組めない時代では、地域金融機関のクレジットリスクには、よくよく注意しなければならない。アラ探しをする気はないが、金融当局があれだけ再編に前向きなのには理由があるのだろう。小さな綻びが大きなクラックに繋がることもある。大企業の製品品質があれだけアテにならないのである。財務品質はホントに大丈夫なのか、警戒しておくに越したことはない。私のような小心者は、ことしもそういう姿勢で投資に臨んでいくことにする。

e-Taxに挑戦したことがありますか? 確定申告その2

さあ1月4日、確定申告の号砲が鳴っていよいよシーズン開幕。本日リリースされた平成29年の確定申告書等作成コーナーをさっそく開けてみる。

 

作成開始から入ってみるとまず分かれ道、e-Taxか書面提出か。迷わずe-Taxへ入って行くと事前確認の画面に入る。

ここで2つ戸惑い。

1.平成29年分事前準備セットアップは正常に適用されているか

これをクリアして、次に

2.動作確認する場合はこちらを参照ください

ここで参照の仕方がよく分からない。

 

恥を忍んで書くが、やっぱりe-Taxの仕組みがよく分かっていない。1の事前準備セットアップは去年の内に終わった、と思っていたが果たしてそうなのか分からない。インストールしようとすると「上書きしていいか」のメッセージ。上書きは構わないのでOKで進むと、果たして上書きしたのかどうか。とにかくいつの間にかチェックボックスにチェックが入っている。

2の「動作確認」は「公的個人認証サービス」フォルダを開いて「JPKI利用者ソフト」という画面を出さないといけないが、はて私のPCにそんなメニューはない。これはプログラムファイルから探し出してとにかく確認した。

 

いったん出来てしまえば問題ないのだが、そうかんたんに正解には辿り着かない。しかもたぶん明日の晩には忘れる。e-Taxは1月15日までは平日しか動かない。24時には止まる。もう今夜はおしまいにしないといけない。これが6日からの3連休に触れないのはとても困る。e-Taxのキックオフはこんなところ。めげずに挑戦。

気持ちのいい冬晴れの中の駅伝競走

元日、二日と首都圏はいい天気続き。箱根駅伝がスタートして、久しぶりに沿道での観戦に出かけた。

 

住まいが駅伝の走る国道までわりと近いので、いつも行こうとして出遅れる。近い人ほど遅刻するという鉄則があるが、まったくそのとおりで、ラジオを聞きながら途中で焦り始める。

近い、といっても普段は通らない道(駅に繋がっていないのでそもそも誰も通らない)、しかもかなりのアップダウンを経て到達するので時間は読みにくい。国道の直前にはJRと京浜急行の線路が8本横たわっていて、最後に大踏切で足止めを食らうリスクが高い。ラジオでランナーを位置を確かめながら行くが、それもラジコで多少のバッファー時間もある。年々自分の足も遅くなっていて、とにかく見逃すための要素は全部そろっている。

 

今年は住まいからその観戦ポイントまでの新ルートができた。クルマを通すための道の側道で、かなりいいところまでショートカットできることになった。

 

ショートカットができたらまた分からなくなった。いったいどのタイミングで出かければいいのか? グズグズしないでさっさと家を出ればいいのに、、。

家内を誘ったが断わられた。いままでも一度も来たことがない、それほど地図上の直線距離と実際のルートにギャップのある坂道だ。それが高低差のないショートカットで抜けられるのに、である。楽なはずなのに、である。しかし誘うにしても計画性のなさは明らか。

結局は出遅れて、想定の観戦ポイントまで辿り着けず、いい加減なところからのぞき見をしただけで終わってしまった。

 

ちゃんと事前に一度行けばいいだけのハナシ。それをやらないからこんなことになる。今年の教訓第一号となった。

 

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銀行のサービスはコンビニになるかアマゾンになるか

 

年始の新聞はかつては大スクープの発表の場であったが、いまは平和な世の中で、ドカンとひっくり返るようなことが起きる余地がない。ここで「平和な」というのは文字どおりの意味ではなく、「よく管理された」という意味だ。

 

誰も知らないことを世の中に伝えるのはもはや報道の使命ではなく、築き上げられてきた筋道に従って世の中、社会・経済の変化を分析し、正しい理解を助けて、それプラス多少の先取りをするのが報道機関の使命とでもいうべきか。

「誰も知らないこと」を世の中に伝えるのはむしろ企業や個人の役割になってきた。私でもブログでこんな便利な発信手段を容易に持つことができた。情報ソースのサイトに行けばオリジナルの資料がリアルタイムで手に入る。分析力があればだれでも付加価値のある情報発信ができるようになってきた。

 

そこで今日のテーマは年末年始の報道にあった、銀行の口座維持手数料のハナシ。預金口座の維持条件をつけた商品はいままでもあったし、納税準備預金みたいに目的外支払いに対しては利息の非課税メリットをはく奪する、みたいなペナルティを課するケースもあった。定期預金の期日前支払いもいわばペナルティ付き。ただし銀行の再調達コスト(その預金が払い出されることで別の資金手当てが必要になり、そのとき金利が上がっていたら初めの預金者に補填を求める)まで見込んだケースは、個人相手の場合にはほとんど適用されない。

口座維持手数料を避けるには使わない銀行口座を解約して歩けばいい。しかし、転勤族の人を始めとして、子供の学校の支払だとか、町内会がどうだのとかで預金口座をあちこちで開くハメに陥り、それがそのまま残っている。銀行自体が、なんとか新規口座を作ってほしくてムリに頼んでくることもある。カードがあれば残高を極小まで落としてあとは放置してしまえばいい。遠くまで口座解約に出かけることが無意味。金融機関も使われない口座のことで目くじら立てることもなかった。

 

ところが、いわゆる休眠口座の公益活用の法律ができたからだろう、金融機関としては今後は眠っている口座を起こさねばならなくなり、しかも収益を生まない口座はコストでしかないということも、マイナス金利の世界ではっきりと認識されてきた。この局面で手数料設定をPRすれば、口座の整理が進むか、手数料が取れるか、どちらに転んでも損はない。預金者の抵抗がある口座維持手数料を広めるには、ここがいいタイミングとみたのだろう。

 

手数料は取れるものなら取ってもいいと思うし、現にATMの時間外手数料等で無頓着な預金者を搾取してきたのだから、まあいいかもしれない。けど年金受取口座でも手数料を取るのかとか、いろんな問題は出てくるだろう。メガと地銀で同じロジックになるかも分からない。メガBKは個人の流動性口座での生活資金の取り込みはもう要らないのではないか。しかしコミュニティBKではそうは行かないだろう。

 

預金者はどう対策すべきか。まずは銀行口座の要不要の判断だ。ひとつもないと困るだろうが2つ以上は要らないだろう。日本は全く預貯金口座のない人はほとんどいないと思われるが、米国等では口座のない人に金融サービスをどう提供するかについても、ずいぶん考えられてきた。生活保護にあたるおカネはフードスタンプとか、現物支給に近い仕組みも使われてきた。小切手社会では、それさえキャッシングできれば銀行など要らないのである。

 

日本は金融機関が口座を開くのにハードルがなかったので、その問題はなかった。これからは日本でもそういうナショナルミニマム論みたいなのが出てくること必定。ゆうちょ銀行はこれにどういう対応をするのか、外国人労働者はどうやって給料を受け取っているのか、実は知らないことだらけで、海外送金もウエスタンユニオンみたいな業者が扱うのが一般的になってきた。ついに日本でもライフラインとしての金融サービスが議論される時代となってきた。

逃げるときは逃げる 恥でもなんでもない

キタサンブラックが逃げて勝った有馬記念のハナシでも、大みそか再放送の「逃げ恥」のことでもありません。災害、トラブルからはとにかく逃げた方がいい。

 

日本で習わない英語の単語で、現地でよく聞く言葉のひとつが evacuate。名詞になるとエヴァキュエーション。vacuumとかvacancyと同じ語源で、明け渡してそこから出て行くイメージ。午後はハリケーンが来くるから、夕方には電車を止める。だからさっさと退社して家に帰ってくれ、というのがevacuation。

台風接近時に出社して帰れなくなる恐れがあるなら初めから出なければいい、というのが米国ではふつうの発想のように思える。また、何時以降は郊外電車の運転を止めるからそれまでに退去せよ、みたいな「命令」をNY市当局が出すこともある。働きたい人は勝手に働いてもいいが、それは自分のリスクでどうぞやってください、お上としては強制はしないものの、公共の安全のためには一定の決定を下すので、そのルールに従ってくれというメッセージ。

 

自由の国アメリカといわれるが、それは自己責任の国という意味。一方で公的機関の判断は非常に重いものであり、公権力の声や力もはるかに大きい。日本は会社から帰らないことで忠誠心を証明するような風土があって、台風でもなかなか帰らない。自分の判断で帰る人はまずいないだろう。だから帰宅時に一気に混乱に陥ることもある。アメリカではそういう「自由」は、公共の利益の前では許さないというところがあり、個人の行動を強く制約してくる。

不適切な例と取られたらお許し願いたいが、あの大地震のときの原発事故もそうで、いくつかの国では自国民の首都圏からの退去を勧奨した。逃げておけば間違いない、という発想。

 

だから危険が予想されたらとにかく逃げる。何を放り出しても逃げる。逃げ方に潔さを感じるくらい逃げる。そういう教育を受けているようだ。

 

このハナシは落ちがない。けさふと思ったのは、12月11日の新幹線のぞみの車両トラブルに出くわした人で危険を察知して逃げた人はいたのだろうか、ということ。

あの列車がもう少しそのままで走っていたら、仮に余分な衝撃が少しでも加わっていたら、高速走行中の新幹線の脱線事故につながっただろう。そうしたら、仮に安全に止まれたとしても、すれ違う新幹線車両とかなりの確率で衝突したかもしれない。

 

いままで大地震のときでも事故を起こしたことがない新幹線の強運に感謝したいが、自分が乗っていたらどこまでリスクを読み切れただろうか。プロの判断は公共の利益を最優先で尊重したものでなければならず、JR西日本の判断ミスは明らか。止める勇気がなかったといわれても仕方ない。

我々がそういう社会に生きていると思えば、危ないと思ったときは新幹線の列車から降りる、通勤電車なら車両を変える、、、。そういう判断もあっていいかも。正反対に思われがちだが、実は日本では海外ほどにはおせっかいにあれこれ指図されないのだ。

しかし飛び立った飛行機ならヤバいと思っても降りられない。大雪で立ち往生した高速道路も降りるに降りられない。一言で逃げるといっても難しい。決まった対処のパターンはない。どんなことがこれから起きるのか、いろんな状況を想定する柔軟な発想力がまず必要で、それに応じた逃げ方を臨機に判断するということか。

年末になってヘンなことを考えてしまった。