学生アメリカンフットボールはリーグ再編を(続き)

関学対日大の定期戦から始まったトラブル。日大が関学のプレーをけなして、先にやったのはそっち、みたいなことを言う人すらいる。口ゲンカにしてもレベルが低い。

日大のコーチの関西弁も話題になっている。彼がそういう考えの持ち主とは思いたくないが、関学憎し、という人が多いことは事実だと思う。そこには長年の学生フットボールの構造的な問題があるように私には見える。

 

関西学生リーグは、社会人がライスボウルで常勝のいまは構図が違ってきたが、長年にわたって日本のトップに君臨したリーグだと思う。関西学生リーグの最終戦に組まれたカードを勝ったチームが、甲子園ボウルライスボウルを連勝することが一時は多かった。

この関西学生リーグは関学を筆頭に関関同立の名門私大、京都大、神戸大、近大あたりが常連のメンバーとなっており、フットボールで活躍したい関西の高校生には、なかなか高いハードルの大学が並んでいる。日大のハードルが低いとは思わないが、東京の大学に活躍の場を求めるプレーヤーも多い。彼らにとっては関学は別格の存在だと思う。

 

しかし関学も神の存在ではない。今日5月29日の関西学生アメリカンフットボール連盟のホームページに出ている記事を見てもらえば、どんなことをやっているかは分かる。きれいごとだけでは終わらない。だから関学もあんなに抑えた調子で、慎重なゲームプランを立てながら、この一件を進めている。それがなんとも気持ちが悪く、私には引っ掛かっている。

 

なぜあのプレーのそのときに強い抗議をしなかったのか。審判もフラッグは投げたが、さしたる反応もせず、そのまま彼は退場にもならず、プレーが続行していった。アウェーの試合なら審判もあんなものと思っていたのか、なんとも不可思議。

東の代表チームがさんざん甲子園ボウルの西の審判に不平を言ってきたのも、よく知られたハナシ。お互いさま、くらいのことなのか。

 

いろんな不満、相互不信の構図が歴史的に重なっていて、そこをあえて、たぶん批判されるもの覚悟の上で関学は問題提起したものと思われる。ここまで日大サイドの自滅になるのは想定外だったと思う。

しかし関学も変わらないといけない。謙虚になってほしい。関西学生リーグのある種のプライドも変えていかねばならない。そうでないと日本のフットボールは浮かばれない。アメリカ人のプレーヤーが入った社会人がライスボウルを制覇しても、あまり楽しくはない。学生フットボール日本リーグを作って、あちこちで秋の本番で好カードを見せてほしい。西だ東だの諍いは終わりにしたい。