次のクラッシュは近いのか? いま取るべきポジションは

我が家は夫婦そろって今年が60歳到達年。家内の方が生まれが早く、おかげさまで特別支給の老齢厚生年金を、僅かながら受け取り始めた。たまたまこれと同じタイミングで比較的まとまった金額のキャッシュが入ってきた。さてどんな運用が考えられるか。

 

常に念頭に置いているのが外貨投資、あるいは金や仮想通貨への投資。日本に住むものとして一番怖いのは日本経済の破たんリスク。例えば地方銀行の経営破たんの連鎖によるシステミックリスクなど。だから一定の資産を、可能なら外国銀行の外貨に置いておくことは必要。

シティグループHSBCといったメジャーな金融グループが日本のリテールバンキングから手を引いたので、なかなか適当な外国銀行はない。もっと富裕層ならいろんな手はあろうが、わざわざ面倒なことはせずにソニー銀行の外貨預金を適当なタイミングで買えばいい。いまのドル円110円台には違和感ないものの、レベルとしてはもう少し円高の場面で拾いたい。

明治安田生命のドル建て一時払い養老保険が売れているらしい。売れていたらしい、というのが正しいかも知れない。110円は10年ものの投資をするには発射台として高すぎるので、もう少し待ちたい。金利は3%程度で2年経てば換金可能。投資としてはあまり王道ではないが、銀行の商品に比べると時間軸の長さに惹かれる。

 

金と仮想通貨は現実通貨の代替物。金投資は米ドルへの信認と逆の動きをするので、円から投資するとうまく行かない。金が高ければドル安、ドルが買われるときは金が安くお互いのゲインを打ち消し合うからだ。ではヘッジをかけるか? そういう投信もあるがインカムゲインがなくヘッジコストまでかけては利益が残らない。

仮想通貨はブロックチェーン次第。ブロックチェーンがインターネットのようなインフラになれば革命的にあらゆるシステムは変わる。少しは試してみたい。

 

オーソドックスな証券投資、特に株式は持っておきたい。しかしこれもいつ、どのように始めるかで勝ち負けは決まる。応援したい企業の株を持つのが一番いいが、リサーチをする時間がない。証券会社が提供してくれる情報でもいいが、その取捨を判断するためにはこれも知識と時間が必要。分からないならトヨタなどの安定的な優良株を買えばいいが、これこそいつ買うかがすべて、といっていいほどの投資。いまはそのときではない。

債券はエマージング含めて買いにくい。期間の長い個人向けの社債はとてもリスクを取れない。

 

やはり怖がりの投資家は何も買えない。個人向け国債にキャッシュバックがつくのでこれが大本命。1千万円で4万円のキャッシュバックなら税前でみて年0.5%の利回り。1年後に売却して好きなものを買い直せばいい。

定期預金は住信SBIネット銀行が主戦場の6か月、1年もので0.2%、ソニー銀行は半歩引いて0.15%。住信SBIネットでは部分解約を認めず、ソニーはそれが可能。割り切って全部ソニーに入れて、用のできた分だけ部分解約をかけていくことも可能。

 

マーケットが崩れたら株式も買いたいが、いまは出て行けない。確定拠出年金のポジションは海外株と海外リート中心で、いつ売却するかこわごわ見ているが、まあ小さい金額なので、これが崩れたら別途資金を投入すればいい。DCは特殊なポートフォリオだが、常に他の投資ポジションと表裏の関係にあることを意識しなければならない。

ズバリ、DCはいわば撒き餌としての位置づけが適当。他にファンドがあるならDCでまず少し持ってみて、崩れたときに別枠で拾えばいい。崩れずに上がればまたそれもいい。DCの中でちまちまバランスなど取る必要はなく、割と尖がったリスクの商品を揃えて持てばいいのではないか。この戦略は、あくまで他に出動可能な手元キャッシュがある、という前提ではあるが。