アメリカの長期金利はこのまま上がるか

米国の長期金利上昇が株安の引き金を引いた。1月雇用統計を受けて2月2日のダウは2%以上の下落。今日5日の日本株も大きな下落となった。

 

長期金利のことは1月12日に当ブログで書いたが、基本的に大きな懸念になるとは思っていない。足元の数字で振れるのはマーケットの常だが、ここはFRB新議長へのマーケット参加者からのメッセージではなかろうか。米国の場合はドラスティックに雇用が動くので、あっという間に情勢が変わる。AIもロボットもどこより米国が先行しているのに、相も変わらず人手でカウントするジョブの数が経済のカギを握る。インフレ退治に狂奔したレーガン大統領の時代からもう30年、いぜん雇用の構造は変わらない。

消費がGDPの7割を占める経済社会では、求職者がいつでも仕事にありつける状況が重要。それがここまで失業率が低下してくると、ジリジリと経済が焼けついてくる感じ。

 

トランプ政権の税制改革も火をつけたことは事実。全部総合してみれば金利上昇リスクへの対応が必要な事態に至ってしまった、ということか。

しかしそこまでいま懸念する必要があるとはどうしても思えない。当局の適切なメッセージで長期金利の立ち上がりは抑えられるとみたい。

 

日本株も多少の調整を経て、また2万5千円を目指す展開ではなかろうか。為替はリスク回避の円高に向かう可能性もあるので、米国のくしゃみで日本はより重篤な症状を起こすことは、過去に繰り返されてきたとおり。とくに日本マーケットでは油断は禁物ながら、注意深く楽観的に、というのが私のいまの認識。さて週明けの米国マーケットは?