こんな時期、こんな時代にストライキ?

報道のとおり、今日25日に九州商船の長崎と福江を結ぶ高速船のストライキが行われた。ただし明日26日は通常運航に戻るそうだ。年末年始を控えたこの時期にストライキを打つなんて、なかなか激しいなと思う。

 

長崎市から五島列島に渡るには、長崎港(町の真ん中にある、というか港こそが長崎だ)からジェットフォイルまたはフェリーで行くか、大村市長崎空港からの空路に頼るしかない。仮に東京から福江に行くなら、福岡空港で乗り換えるのが一番便利だと思うが、とうぜん長崎市と福江の繋がりも相当にあるので、多くの人が船便を利用する。

ヘンな言い方だが、五島列島の福江の場合、対馬壱岐よりははるかに長崎市との交流は多いように思う。言い換えればそれほど対馬壱岐長崎県というのにいまだに違和感を覚える。

 

今回のストライキの背景・事情を詳しく解説する知識がないので、ここでは議論しません。いままでもこの船会社の前で抗議行動が続けられてきたことはたまたま知っているので、あれー、こんなことになっているのか、とけさは報道を見て驚いた。

 

ここから先はストとは関係ないハナシ。ウチは家内が船を嫌うので、ほとんど旅行で船に乗ることはなかった。私はジェットフォイル系の乗り物で、かつて二日酔いのときに乗船を強行して塗炭の苦しみを味わった。シアトルとカナダのビクトリアを結ぶ国際航路で、いまでもあれはあるのだろうか、たしかビクトリア・クリッパーと言った。私にはしんどい船だった。

 

長崎と福江の間は仕事で何度も乗ったが、できる限りフェリーの方を使うようにしていた。5千トンクラスだから小さなボートではあるが、寝っ転がって移動できる交通手段は他にない。ジェットフォイルの倍の3時間強の航路だ。海上ではスマホは圏外になるし、そもそも、およそ船の上で何か連絡をもらってもどうしようもない。帰りは4時ごろからもう、港の前のお店で適当なつまみをもらってビールを飲んで、また横になって帰る。夏場は特に海に沈む夕日が見られて、極楽だと思った。

 

大昔、遣唐使船は五島の三井楽という港を最後に東シナ海へ乗り出して、揚子江の入り江を目指す。仏教思想は中国で発展したので西方浄土も中国から見れば、砂漠に天竺なんだろうが、あの福江航路で日が沈む西方を見るのも、なんとも心に響くものがある。精霊流しも基本は仏様が船で西に向かうというのがメーンストーリーだ。