やっぱり来ました所得税改革 その8

とうとう決まってしまいましたね、所得税増税。後になって、あーあ、やっちゃったー、ってことにならなければいいのですが。

 

私は今月で59歳。増税の2020年には62歳に到達。この年代の人で、それなりに将来のこと、老後のことを考えてきた人は、どんだけ働いて、どんだけ年金を受け取ってというバランスを考え抜いてきているはず。

こういう税制改正を行うと、給与所得なんて必要な分だけ働いて適当に抑えておけばいい、という結論にたどり着くことは必至で、かなりの人が特別支給の老齢厚生年金をヨコにらみで、給料、年金、そして事業報酬のベストミックスを求めることになるだろう。

 

税制が働き方に影響を及ぼすことは避けられず、それが労働力の供給、しかも、それなりに上質の労働力の担い手が労働市場から出て行くことを政府は覚悟しなければならない。

年収800万円以上のクラスって、大企業、中央官庁の中堅レベル以上の給料だろうから、まあ実際にはそんな心配はいらないのかもしれないが、例えば年収1千万円、特別支給の老齢厚生年金が200万円もらえるのなら、2020年の6月で退職したら、その年の年収は500万円ほどになって、どちらもフルの控除付きで受け取れる。もちろん、その人のお誕生日次第ではありますが。

 

2020年の夏か。東京2020五輪・パラリンピック大会は7月24日からスタートだ。私もその辺で勤めを辞めて、しばらくはのんびりしようかな。いままでもそんなことを考えていたが、今回の税制改正はひとつ背中を押してもらったような気がする。65歳のフル年金支給開始までを、食いつなげるおカネのメドが立てば、また違った人生の選択肢を探りに行けるかもしれない。

そう思えば悪くない税制改正とも思える。「働かないという選択肢」の価値を相対的に上げてくれた政策だ。そちらが(国が)そう出てくるならこちらにも考えがある、という流れになっていくよね。とにかく決めてくれたことに感謝しますので、消費税増税みたいに先送りしないでくださいね。まあ95%のサラリーマンにはニュートラルだからこれからの選挙で負ける心配もないのだろうし。

そもそもこの10月の選挙結果が引き金を引いた増税だから、「排除増税」とか「小池増税」とか呼んだらどうでしょうか。なんだか2020年は大転換の年になりそう。