一時所得の使いみちは意外なところに その3

台風接近でも選挙には行かねばならない。いろんな意味でこの総選挙は出来損ないの選挙。タイミングをみて早急にやり直してほしい。国民が選択する基準が示されていないし、受けて立っておいて途中でやめてしまった小池さんの責任も重い。ダメな枠組みの選挙結果は早くスクラッチしてまたやり直せばいい。

東芝、日産、神戸製鋼に至るまでトラブルは絶えない。企業統治はずいぶん変わったと思うが、現場の問題はこれからの解決が必要。それこそが日本の産業構造を変えるキーでもある。このままではホントに足腰の弱い国になりそうで怖い。だから庶民としては外貨を持たないわけには行かない。歴史が示すとおり、国民がみんな自国通貨を信じなくなったら通貨危機が起きる。それはみっともないから絶対に避けたい。いまの日本の生き残り戦略はロシア、中国はおろかアジアの新興国にも劣る。現政権はそういう心配に応えきれていない。

 

年金(基礎年金や厚生年金などを除く)は一部繰上げで取れば一時所得の適用があると前回で説明した。確定拠出や企業年金なので規約の作り込みにもより、あまり非常識な取り方はできないが、それでも有効な手段。

私は「年金」と「年金風」に分けて整理している。

「年金」とは終身のもの。老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金、ごくまれに大企業でまだ終身の企業年金を提供している場合など。

「年金風」は有期の企業年金確定拠出年金、さらに保険会社が提供している年金保険など。企業年金とDCは公的年金の雑所得に計上されるが、自分で払った年金保険は別立ての雑所得になり、支払った保険料を上回る分は総合課税の枠で処理される。

 

「年金風」はいわば単なる貯金であって、それを老後の生活費に充てると最後はなくなってしまう。生活は「年金」で賄い、人生を豊かにするための費えを「年金風」で用意するのが私の考え。もちろん「年金風」にも税制のメリットがあるので、60歳以上の公的年金控除をフルに使うこと、前にふれたとおり一時所得の枠を使いながら手元に戻してくることが重要。

また「年金風」は、いわゆる在職老齢年金減額のロジックとは関係なく受け取れるので、現役の人は自分の給与所得等がいくらになるかが、受け取り方を決めるための大きなカギとなる。いつどのように所得を分散するか決めないといけない。私は58歳で、いま決めないと60歳以降の絵が描けない。ここは働き方にもかかわること、その辺にも触れていく。